概要
プリント基板のプレス加工では、加工された基板の取り出しは作業員が行うのが通常の作業です。加工された基板は金型によって持ち上げられて落下します。落下してくる基板を作業員が受け取ります。
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- プレス動画
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この基板を受け取る作業にはいくつか問題があります。
- 基板を受け損ねてキズが付く
- 手を金型にぶつけてしまう
- 受け取る作業は疲れる
- プレス機内部に体を入れる頻度が増える
これらの問題を解決するために、自動で基板を受け取る「基板受取機」を開発しました。
- 基板受け取りミスを防ぐ
- 作業員の負担を軽減し、ケガを防ぐ
- プレス機内部に体を入れる頻度を減らす
基板受取機構
プレス機右側から受取部を伸ばして金型内部に進入し、落下してくる基板を受け取ります。受取部には吸着穴が開いており、基板を吸いつけて安定した高速動作を行います。また、先端に付いたブラシで金型の清掃も同時に行います。
基板搬送機構
受け取った基板は、搬送アームの吸着パッドで積載部まで搬送します。
基板積載機構
積載部には光電センサが取り付けられており、搬送されてきた基板が積み上がって一定の高さを超えると、自動的に下降します。
汎用吸着パッド
受取部や搬送アームの吸着パッドは、様々な形状をしている基板を安定して吸い付ける能力が必要になります。市販されている吸着パッドでは、基板に抜き穴があると空気が漏れて吸い付けできません。そこで、基板形状の差異や抜き穴加工の有無に関わらず確実に吸い付くことのできる吸着パッドを開発しました。
無数にあけた穴から、SMC社製バキュームフローを使用して吸い付けを行います。基板形状や抜き穴加工により空気が漏れても、大流量の吸い込み力で基板を離しません。この吸着パッドを使用することで、高速な受取部の動作と安定した基板搬送が行えます。
安全対策
受け取り動作を行っている最中に、作業員がプレス機内部に手を入れてしまった場合、プレス機に取り付けられている安全光線機からの信号をキャッチして、受け取り動作を急停止させます。プレス機内部から手を離すと、受け取り動作を再開します。
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- 急停止
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スペック
寸法 | W920mm×L1250mm×H1400mm |
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最大受取可能基板寸法 | 240mm×400mm |
最大積載量 | 800mm |
最長受取距離 | 700mm |
受取タクト | 約1.5秒 |
電源 | 3相AC200V |
エア源 | 0.8~1.0MPa |